日曜日の朝、大きな地震が起きた。会社には誰もいない。社員もそれぞれ自宅や外出先にいる。そんなとき、「とりあえず会社に来てください」で本当にいいのでしょうか。
休日・夜間の災害は、勤務中とは初動が大きく変わります。大切なのは、災害が起きてから連絡方法や出社する人を考えるのではなく、誰が・何を・どの順番で確認するかを先に決めておくことです。
休日・夜間の初動は、この5つを決めておく。
① まず本人と家族の安全を確保する
② 社員の安否を確認する
③ 誰が災害対応を開始するか決める
④ 出社する人・しない人の基準を決める
⑤ 会社・設備・取引先への影響を確認する
まず「全員出社」ではない
休日や夜間に大きな災害が起きても、社員全員をすぐ会社へ向かわせるとは限りません。本人や家族が被災している可能性があり、道路や鉄道も安全とは限らないからです。
中小企業庁のBCP指針でも、勤務時間外の災害については、交通機関の混乱や従業員自身の被災を踏まえ、あらかじめ参集基準を決めておくことが示されています。
「災害が起きたら全員集合」ではなく、「誰が、どんな条件なら動くか」。
緊急参集する担当者は、会社までの距離や家庭の状況、移動手段なども踏まえて決めておきます。
最初にやるのは社員の安否確認
会社として最初に把握したいのは、社員が無事かどうかです。同時に、災害対応や事業継続に動ける社員が何人いるのかも確認します。内閣府の事業継続ガイドラインでも、初動段階で従業員の安否確認と被害状況の把握が重要な項目として挙げられています。
休日・夜間は全員がバラバラの場所にいるため、電話だけに頼らず、安否確認システムやメール、チャットなど複数の連絡方法を決めておくと安心です。
安否確認ルールについては、 災害時、社員と連絡がつかない。オフィスの安否確認ルールを作ろう も参考にしてください。
「誰が会社の災害対応を始める?」を決める
社長が連絡するまで誰も動かない。総務担当者が旅行中で連絡がつかない。これでは初動が止まってしまいます。
そこで、休日・夜間でも誰が最初に災害対応を開始するのかを決めておきます。責任者だけでなく、連絡が取れない場合の代理順位まで用意しておくのがポイントです。
最低限決めておきたい役割
災害対応を開始する責任者
社員の安否を集約する人
会社・店舗・設備を確認する人
経営層へ報告する人
取引先へ連絡する人
こうした役割は、 企業の防災マニュアル、何を書く?最低限入れたい10項目 にも入れておきましょう。
出社するかどうかは「参集基準」で決める
災害が起きるたびに上司へ「出社しますか?」と確認するのではなく、会社として参集基準を作っておくと判断が早くなります。
たとえば、一定規模以上の地震や事業所周辺で大きな被害が確認された場合など、「この条件なら災害対応メンバーが動く」という基準を決めます。ただし、本人や家族の安全が確保できない場合や、移動に危険がある場合は参集しないルールも必要です。
参集ルールは「来る条件」だけでなく「来ない条件」も決める。
無理な移動によって社員を危険にさらさないことも、会社の災害対応です。
会社に誰もいないとき、被害をどう確認する?
休日の災害では、社内の棚が倒れているのか、停電しているのか、浸水しているのか、その場では分かりません。だからこそ、誰が・いつ・どうやって事業所の状況を確認するかを決めておく必要があります。
- □ 建物へ安全に入れるか
- □ 火災や浸水は起きていないか
- □ 電気・水道・通信は使えるか
- □ 重要な設備や商品に被害はないか
- □ 翌営業日に業務を再開できるか
ただし、安全が確認できない建物へ無理に入るのは避けます。被害確認は、社員の安全を確保したうえで行うことが前提です。
初動の次は「明日、仕事ができるか?」
社員の安全と会社の被害を確認したら、次に考えるのが事業継続です。翌営業日に通常営業できるのか、一部業務だけ再開するのか、取引先へ連絡が必要なのかを判断します。
内閣府の事業継続ガイドラインでも、初動後は被害状況をもとに重要業務の継続・復旧を判断することが重要とされています。:chatgpt-content-reference{index=”1″}
BCPの基本については、 BCPとは?事業継続計画の意味と策定手順を企業防災の視点で解説 もあわせて確認してください。
防災訓練も「日曜の朝」を想定してみる
避難訓練は勤務中を想定することが多いですが、一度だけでも「日曜日の朝に大地震が起きた」という設定で確認してみると、今のルールの弱点が見えてきます。
- □ 誰が最初に連絡を出す?
- □ 全社員の安否を確認できる?
- □ 責任者が不在なら誰が代わる?
- □ 誰が会社へ行く?
- □ 会社へ行けない場合はどうする?
訓練については、 企業の防災訓練、何をする?小規模会社でもできる5つの訓練 でも紹介しています。
まとめ|休日の災害は「誰が会社に行く?」から考えない
休日・夜間の災害では、会社に社員がそろっていません。だからこそ、勤務中と同じ初動ルールでは動けないことがあります。
会社で決めたい順番
本人・家族の安全を確認
↓
社員の安否を集約
↓
災害対応体制を立ち上げる
↓
参集の要否を判断
↓
会社の被害と事業への影響を確認
「災害が起きたら誰が出社する?」より先に、「誰が最初の判断をする?」を決めておく。 まずは自社の防災マニュアルを見て、休日・夜間の初動が書かれているか確認してみてください。
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