「防災備蓄は一応そろえているけれど、今どれくらいあるのか把握できていない」
オフィスの防災備蓄では、こうした状態が意外と起こりがちです。 担当者の異動や引き継ぎをきっかけに管理が曖昧になり、 気づいたときには非常食の賞味期限が切れていた、ということもあります。
大切なのは、備蓄品を一度そろえて終わりにするのではなく、 「必要なものが、必要な数だけあり、いざというときに使える状態になっているか」 を定期的に確認することです。
この記事では、オフィスの防災備蓄を確認するときに使えるチェックリストを カテゴリ別にまとめました。 すでに備蓄をしている企業の見直しにも、 これから防災備蓄を始める企業の確認にも活用できます。
まず確認したい「何日分・何人分を備えるか」
備蓄品をチェックする前に、 まず自社で「何人を対象に、何日分を備えるのか」を整理しておきましょう。
元となる基準が決まっていないと、 在庫を確認しても「十分なのか、不足しているのか」を判断できません。
東京都では、事業所における備蓄の目安として、 発災時に職場にいる従業員が3日間待機できる量を備える考え方を示しています。
- 対象人数:最大同時出社人数を基準に考える
- 日数:3日分をひとつの目安として備える
出社人数が曜日や勤務形態によって変わる企業では、 普段の在籍人数だけでなく、災害発生時に社内にいる可能性のある人数を確認しておくことが大切です。
飲料水・食料のチェックリスト
- □ 飲料水(1人1日3L×3日分)が人数分あるか
- □ 非常食(1人1日3食×3日分)が人数分あるか
- □ アレルギーや食事上の配慮が必要な人への対応を検討しているか
- □ 賞味期限を一覧で把握し、確認する時期が決まっているか
- □ 必要に応じてローリングストックを取り入れているか
水や非常食は「あるかどうか」だけではなく、 必要数と賞味期限を把握できているかまで確認することがポイントです。
必要な備蓄量や基本的な備蓄品を整理したい場合は、 企業の防災備蓄は何が必要?3日分の必要量・備蓄品リスト もあわせて確認してみてください。
トイレ・衛生用品のチェックリスト
- □ 非常用トイレ(1人1日5回程度×3日分)が人数分あるか
- □ 使用済みの非常用トイレを保管する袋などがあるか
- □ マスク・手指消毒液・ウェットティッシュなどの衛生用品があるか
- □ 生理用品が備蓄されているか
- □ トイレットペーパーなどの予備があるか
災害時は、停電だけでなく断水などによって オフィスのトイレが普段どおり使えなくなる可能性があります。
食料や水だけでなく、 衛生環境を維持するための備えも忘れずに確認しておきましょう。
情報・通信まわりのチェックリスト
- □ 乾電池式や手回し充電式など、停電時にも使えるラジオがあるか
- □ モバイルバッテリーや充電手段を確保しているか
- □ 従業員の安否確認手段(安否確認システム・連絡網など)が決まっているか
- □ 停電時にも使える懐中電灯・ランタンなどが必要な場所にあるか
- □ 予備の乾電池が用意されているか
災害時には、従業員や家族との連絡、 被害状況や交通情報の確認などで通信手段が重要になります。
「端末がある」だけでなく、 停電しても情報を確認できる状態になっているか という視点でチェックしましょう。
救護・防寒用品のチェックリスト
- □ 救急セットが用意されているか
- □ 救急用品の保管場所を従業員が把握しているか
- □ AEDがある場合、その設置場所が周知されているか
- □ 毛布・保温シートなどの防寒用品が必要数あるか
- □ 従業員自身が必要な常備薬などを準備することについて周知しているか
救急用品は、保管されているだけでは十分とはいえません。 どこに置いてあるのか、緊急時にどう使うのかまで 社内で共有しておくことが大切です。
什器・避難経路のチェックリスト
- □ 背の高いキャビネット・本棚などの転倒対策をしているか
- □ 避難経路に物が置かれていないか定期的に確認しているか
- □ 非常口や避難経路を従業員が把握しているか
- □ 窓ガラスなどの飛散対策が必要な場所を確認しているか
防災対策というと備蓄品に目が向きがちですが、 地震などが発生した直後の安全を確保するには、 オフィス内の環境も重要です。
備蓄品の確認とあわせて、 家具の転倒対策や避難経路の確保も確認しておきましょう。
運用・管理体制のチェックリスト
- □ 備蓄品の管理担当者・責任者が明確になっているか
- □ 定期的に備蓄品を点検するスケジュールが決まっているか
- □ 備蓄品の数量・賞味期限・保管場所を一覧で管理しているか
- □ 災害によって一部が使えなくなることも考え、保管場所の分散を検討しているか
- □ 備蓄品を誰にどのように配布するか決めているか
- □ 防災マニュアルやBCPと備蓄品の情報が連動しているか
防災備蓄で見落とされやすいのが、 「誰が、いつ確認するのか」という運用面です。
担当者個人の記憶に頼るのではなく、 チェックリストや在庫表、点検日などを社内で共有し、 担当者が変わっても継続できる仕組みにしておきましょう。
備蓄品は「どこに置くか」も確認する
必要な数量をそろえていても、 災害によって保管場所に入れなくなれば使用できません。
東京都も、備蓄品について 被害によって使用できなくなることを考慮し、 複数の場所に分けて保管することを案内しています。
特に複数フロアに分かれているオフィスでは、 すべての備蓄品を1か所に集めるのではなく、 災害時に取り出しやすい場所へ分散して保管できないか 検討してみましょう。
チェックして「足りない」と感じたら
チェックリストを一通り確認すると、 備蓄品そのものだけでなく、 管理方法や社内ルールの不足に気づくこともあります。
特に、非常用トイレや情報・通信用品などは、 普段の業務では意識する機会が少ないため、 改めて必要数や保管場所を確認しておきたい項目です。
また、備蓄品の点検や入れ替えを担当者一人に任せていると、 異動や退職などによって管理が止まってしまう可能性があります。
「チェックリスト」「在庫一覧」「点検スケジュール」 をセットで管理し、複数人で共有できる体制にしておくと、 継続的に防災備蓄を管理しやすくなります。
在宅勤務も増えてる今、家庭向けの防災用品も大事です。 具体的にどのようなアイテムがあるのか確認したい場合は、 防災グッズおすすめ10選 も参考にしてください。
まとめ:防災備蓄は「そろえる」より「管理する」ことが大切
オフィスの防災備蓄は、 一度購入して保管しておけば終わりではありません。
出社人数の変化や賞味期限、商品の劣化、 オフィス環境の変更などにあわせて、 定期的に内容を見直す必要があります。
まずは今回のチェックリストを使って、 自社の備蓄状況を一通り確認してみてください。
「何があるのか」「何が足りないのか」「誰が管理するのか」が整理できれば、 オフィスの防災備蓄は管理しやすくなります。
Bousailyでは、企業・施設・団体などの防災備蓄や、防災用品の選定についてご相談いただけます。
「何を備えればいいか分からない」「必要な数量を整理したい」「備蓄品をまとめて検討したい」といった段階からでもお気軽にご相談ください。
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