「今年から防災担当をお願いします」。そう言われたものの、何をすればいいのか分からない。とりあえず備蓄庫を確認して、非常食を買えばいい?
企業の防災担当者の仕事は、備蓄品を買うことだけではありません。備蓄、訓練、安否確認、マニュアル、BCPなどを年間を通して回し続けることが大切です。
防災担当者の主な仕事は、この6つ。
① 防災備蓄を管理する
② 災害時の連絡・初動ルールを整える
③ 防災マニュアル・BCPを見直す
④ 防災訓練を実施する
⑤ 建物や地域の災害リスクを確認する
⑥ 社員へ防災情報を共有する
防災担当は「備蓄を買う人」ではない
非常食、水、非常用トイレを購入するのは大切です。ただ、備蓄は買った瞬間から賞味期限や在庫管理が始まります。社員が増えれば必要量も変わり、オフィス移転や組織変更があれば避難ルートや連絡網も変わります。
つまり防災担当者の役割は、一度作った備えを「使える状態のまま維持する」ことです。
企業の防災担当者|主な仕事一覧
| 仕事 | 確認すること |
|---|---|
| 防災備蓄 | 数量・賞味期限・保管場所・不足品 |
| 安否確認 | 連絡方法・社員情報・訓練 |
| 防災マニュアル | 初動・役割・避難・来客対応 |
| BCP | 重要業務・復旧・代替手段 |
| 防災訓練 | 避難・安否確認・初動対応 |
| 災害リスク | 地震・洪水・内水・停電など |
| 社員教育 | ルール周知・防災情報の共有 |
年間スケジュールは「少しずつ」が続けやすい
全部を9月の防災の日の前にやろうとすると、防災担当の負担が大きくなります。おすすめは、1年間に分散させることです。
| 時期 | やることの例 |
|---|---|
| 1〜3月 | 備蓄数量・賞味期限の確認、年間計画を作る |
| 4〜5月 | 人事異動に合わせて連絡網・役割を更新 |
| 6〜7月 | 大雨・台風に備えてハザードマップや浸水対策を確認 |
| 8〜9月 | 防災訓練、備蓄・マニュアルの全体確認 |
| 10〜11月 | BCP訓練、停電・IT・取引先など事業継続を確認 |
| 12月 | 1年間の課題を整理し、翌年度の予算・対策を検討 |
これは一例です。
業種、建物、地域、法令上必要な訓練などによって実施時期や回数は変わります。自社の消防計画や施設条件も確認してください。
春|人が変わったら防災ルールも更新する
4月の人事異動や新入社員の入社は、防災ルールを見直すタイミングです。緊急連絡網に退職者が残っていたり、災害対策責任者が異動していたりすると、いざというときに動けません。
- □ 安否確認の登録社員は最新?
- □ 災害対応の責任者は変わっていない?
- □ 代理担当者も決まっている?
- □ 新入社員へ避難場所を伝えた?
安否確認については、 災害時、社員と連絡がつかない。オフィスの安否確認ルールを作ろう も参考にしてください。
夏前|水害・台風対策を確認する
梅雨や台風シーズンの前には、地震対策だけでなく水害リスクも確認します。ハザードマップを見て、浸水しやすい入口や地下設備、商品・書類などをチェックしましょう。
会社の災害リスクについては、 会社のハザードマップ、どこを見る?事業所の災害リスクを確認しよう で詳しく紹介しています。
8〜9月|訓練と備蓄をまとめてチェック
防災週間などをきっかけに、避難訓練や備蓄確認を行うのも一つの方法です。内閣府も防災週間に合わせ、事業所の防災設備・資機材の点検や防災訓練などを呼びかけています。
ただし、防災訓練の必要回数は施設の用途などによって異なります。消防計画や防火管理上の要件を確認したうえで実施してください。
訓練内容については、 企業の防災訓練、何をする?小規模会社でもできる5つの訓練 も参考になります。
備蓄は「数量」と「期限」をセットで見る
非常食が300食あっても、社員数が増えていれば不足しているかもしれません。数量だけ合っていても、半年後に大量の賞味期限が切れるなら入れ替えが必要です。
備蓄チェックは4点セット。
必要数量
+
現在庫
+
賞味期限
+
保管場所
在庫管理については、 防災備蓄、誰が管理してる?期限・数量・担当者を「止めない」方法 を、賞味期限管理については 防災備蓄の賞味期限、どう管理する?会社で決めたい入れ替えルール も確認してください。
年に一度はBCPも見直す
BCPは作ってファイルに保存したら終わりではありません。中小企業庁のBCP策定運用指針でも、事前対策の進捗や問題点を毎年1回以上確認し、必要に応じて見直す考え方が示されています。
取引先が変わった、新しいシステムを導入した、社員数が増えた、拠点を移転した。そんな変化があれば、その都度BCPへの影響も確認します。
BCPについては、 BCPとは?事業継続計画の意味と策定手順を企業防災の視点で解説 も参考にしてください。
一人で全部やらない
防災担当者が一人で備蓄、訓練、BCP、安否確認、設備まで管理するのは大変です。総務、情報システム、人事、各拠点の責任者など、テーマごとに担当を分ける方が続けやすくなります。
防災担当の仕事は「全部やる」ではなく「止まらない仕組みを作る」。
担当者が異動しても続けられるよう、年間予定・担当者・確認結果を残しておきましょう。
まとめ|防災は「年1回のイベント」にしない
企業の防災は、防災の日に備蓄庫を開けて終わりではありません。会社や社員の状況は一年の中でも変わります。
防災担当者が回したいサイクル
確認する
↓
足りないものを直す
↓
訓練する
↓
課題を見つける
↓
また見直す
「防災担当=備蓄を買う人」ではなく、「会社の備えを回し続ける人」。 まずは1年間のカレンダーに、防災の予定を3つだけ入れるところから始めてみてください。
Bousailyでは、企業・施設・団体などの防災備蓄や、防災用品の選定についてご相談いただけます。
「何を備えればいいか分からない」「必要な数量を整理したい」「備蓄品をまとめて検討したい」といった段階からでもお気軽にご相談ください。
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