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会社のデータを災害から守るには?バックアップとIT-BCPの基本

会社のパソコンやサーバーの重要データをバックアップしIT-BCPを確認する担当者のイメージ

大きな地震でオフィスが停電した。パソコンも社内サーバーも起動しない。社員は無事。でも、顧客情報、受注データ、請求データが見られない。「バックアップって、どこにある?」

会社の防災というと、水や非常食を思い浮かべますが、仕事を再開するにはデータや情報システムも必要です。そこで考えておきたいのが、ITの視点を含めたBCPです。

まず会社で確認したい5つ

① 止まると困るデータを決める
② データをバックアップする
③ 同じ災害で失わない場所にも保存する
④ どう復旧するか決めておく
⑤ 実際に戻せるか確認する

IT-BCPって何?

BCPは、災害などが起きても重要な事業を続けたり、できるだけ早く復旧したりするための計画です。IT-BCPは、その中でもパソコン、サーバー、ネットワーク、業務システム、データなどのITをどう継続・復旧させるかを考えるものです。

「IT部門だけの話」と考えず、まずはこのシステムが止まったら、どの仕事が止まる?と考えてみると分かりやすくなります。

BCPそのものについては、 BCPとは?事業継続計画の意味と策定手順を企業防災の視点で解説 も参考にしてください。

まず「なくなると仕事が止まるデータ」を探す

会社にあるすべてのデータを同じ優先度で守る必要はありません。最初に、災害後の事業再開に必要な情報を洗い出します。

たとえば。

顧客・取引先情報
受注・発注データ
売上・請求データ
商品・在庫情報
従業員情報
設計・製造など事業に欠かせないデータ

中小企業庁のBCP指針でも、重要業務に必須となる情報を把握し、電子データ・紙データを含めてバックアップ方法を考えることが示されています。

バックアップは「同じ場所」だけに置かない

社内サーバーのデータを、同じオフィスにある別の機器へコピーしている。これもバックアップですが、地震や火災、浸水などでオフィス全体が被害を受ければ、両方を失う可能性があります。

中小企業庁は、中核事業に必要な情報について、同じ災害で被災しない場所に複製を保存することを重要なポイントとして挙げています。

バックアップ先は分散して考える。

社内のバックアップ
+
離れた拠点やクラウドなど
+
必要に応じて別の保存方法

ただし、クラウドを使っているだけで自動的に安心とは限りません。利用しているサービスが、どこまでバックアップや復旧に対応しているのかも確認しておきましょう。

「毎月バックアップ」で間に合う?

バックアップ頻度も重要です。たとえば毎月1回しか保存していなければ、災害のタイミングによっては数週間分のデータを失う可能性があります。

そこで、どこまでデータが戻れば業務を続けられるかから頻度を考えます。毎日変わる受注情報と、年に数回しか更新しない資料では必要な頻度が違います。

「バックアップは何日に1回?」ではなく、「何日分までなら失っても事業を再開できる?」から考える。

一番大事なのは「戻せるか」

バックアップファイルはある。でも復旧方法を知っている担当者がいない。パスワードが分からない。新しいパソコンへ戻したことがない。これでは、災害時に使えるか分かりません。

中小企業庁は、バックアップしたデータを使った情報システムの回復を事業継続の対策として示しています。つまり、保存するところまでではなく、復旧するところまで考えておく必要があります。:chatgpt-content-reference{index=”1″}

  • □ バックアップはどこにある?
  • □ 誰が復旧する?
  • □ 必要なID・パスワードは確認できる?
  • □ 新しい端末でも仕事を再開できる?
  • □ 実際に復元したことがある?

停電したら「データがある」だけでは仕事できない

バックアップが無事でも、電気やインターネットが止まればシステムを使えないことがあります。そのためIT-BCPでは、データだけでなく、電源、通信、端末、業務システムまでまとめて考えます。

たとえば「基幹システムが使えない間はこの方法で受注する」「社内サーバーが使えなければ別の場所から業務を行う」など、完全復旧までの代替方法も決めておくと実務的です。

オフィスの停電対策については、 会社が停電した。まず何をする?オフィスで決めておきたい停電対策 もあわせて確認してください。

中小企業なら、まずここから

いきなり大規模なバックアップシステムを導入する必要はありません。まずは、重要なデータと現在の保存方法を確認するところから始めます。

30分で確認してみる

① 止まると困る業務を3つ挙げる
② その業務に必要なデータを確認する
③ 今どこに保存されているか確認する
④ バックアップ先と頻度を確認する
⑤ 誰が復旧できるか確認する

この5つだけでも、「バックアップしているつもりだった」「担当者しか分からない」といった弱点が見つかります。

ITも防災マニュアル・BCPにつなげる

ITの復旧だけ別資料にして終わらせず、会社全体のBCPとつなげておくことも大切です。重要業務をいつまでに再開したいのかが決まれば、それに必要なシステムの復旧優先順位も決めやすくなります。

会社の初動ルールとあわせて整理するなら、 企業の防災マニュアル、何を書く?最低限入れたい10項目 も確認してみてください。

まとめ|「バックアップがある」より「仕事を戻せる?」

会社のデータを守る目的は、バックアップファイルを作ることではありません。災害後に必要な情報を取り出し、重要な仕事を再開できる状態にすることです。

会社で確認する順番

何の仕事を止めたくない?
↓
必要なデータは何?
↓
どこへバックアップする?
↓
どうやって復旧する?
↓
本当に戻せる?

「バックアップ取ってるから大丈夫」で終わらず、「明日パソコンが使えなくなっても仕事を戻せる?」まで確認する。 これがIT-BCPの最初の一歩です。

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