月曜日の朝、大きな地震でオフィスに入れなくなった。社員は無事。でも、パソコンも書類も会議室も全部オフィスの中です。「今日は休業。その後はどうする?」
BCPで考えておきたいのは、建物を守ることだけではありません。オフィスが数日、数週間使えなくなっても、重要な仕事を別の場所で続けられるようにしておくことも大切です。
まず会社で決めたい5つ
① 止められない業務を決める
② 代わりに仕事をする場所を決める
③ 必要なデータ・システムを使えるようにする
④ 誰がどこで働くか決める
⑤ 代替拠点へ切り替える基準を決める
代替拠点は「第二オフィス」とは限らない
代替拠点というと、災害用に別のオフィスを借りるイメージがありますが、それだけではありません。別の支店や営業所、自宅でのテレワーク、必要に応じて利用できる外部のワークスペースなど、自社の規模や業務に合わせて考えられます。
内閣府の事業継続ガイドラインでも、事業を続けるための選択肢として現地復旧だけでなく、代替拠点を活用する方法が示されています。
大切なのは「別のオフィスを持つこと」ではなく、「別の場所でも重要業務を続けられること」。
まず「どの仕事を続ける?」を決める
オフィスが使えなくなったとき、すべての仕事を通常どおり続けるのは難しいかもしれません。そこで最初に、止まると顧客や事業への影響が大きい業務を決めます。
たとえば受注対応、顧客への連絡、請求・支払い、重要なシステムの運用などです。場所を決める前に「何を続けるか」を決めると、必要な人数や設備も見えてきます。
BCPの基本については、 BCPとは?事業継続計画の意味と策定手順を企業防災の視点で解説 も参考にしてください。
テレワークできればBCPは完成?
「うちは在宅勤務できるから大丈夫」と思っていても、災害時に本当に使えるとは限りません。社内にある書類が必要だったり、会社のネットワークにつながらなかったり、承認できる人が出社前提になっていたりすることがあります。
テレワークで確認したいこと
・会社の外から必要なシステムへ入れる?
・重要なデータを確認できる?
・電話や問い合わせを受けられる?
・決裁や承認をオンラインでできる?
・責任者が不在でも判断できる?
内閣府の事業継続ガイドラインでも、テレワークの活用やオンラインで意思決定できる仕組みの整備が取り上げられています。
代替拠点を決めるなら「同時に被災しない?」を見る
本社から徒歩5分の別オフィスを代替拠点にしていても、大規模な地震や浸水では両方が使えなくなる可能性があります。
場所を選ぶときは、距離だけでなく、地震・洪水などの災害リスク、電源や通信、社員が移動できるかを確認します。中小企業庁も、事業継続のために代替設備・代替施設などを検討することを示しています。
事業所の災害リスクは、 会社のハザードマップ、どこを見る?事業所の災害リスクを確認しよう でも確認できます。
「いつ切り替える?」まで決めておく
代替拠点を用意しても、災害当日に「本社の復旧をもう少し待つ?」「テレワークへ切り替える?」と迷えば、事業再開が遅れます。
たとえば切り替え条件を決めておく。
建物へ安全に入れない
長時間の停電が見込まれる
通信設備が復旧しない
翌営業日もオフィスが使えない
条件に当てはまったら、誰が代替拠点への切り替えを決定し、社員へどう伝えるのかまで決めておくと動きやすくなります。
一度「会社に行かない日」を試してみる
計画を作っただけでは、本当に仕事を続けられるか分かりません。そこで一度、「明日はオフィスが使えません」という設定で業務をしてみる方法があります。
- □ 必要なシステムへアクセスできた?
- □ 顧客からの電話やメールに対応できた?
- □ 決裁や承認が止まらなかった?
- □ 社内で連絡を取り合えた?
- □ 紙の書類がないとできない仕事はなかった?
実際に試すと、「この書類だけ会社にある」「このシステムは社外から入れない」といった弱点が見つかります。防災訓練については、 企業の防災訓練、何をする?小規模会社でもできる5つの訓練 も参考にしてください。
まとめ|「会社に行けない=仕事が止まる」にしない
代替拠点やテレワークの目的は、災害時にも通常どおり働くことではありません。限られた人員や設備でも、重要な仕事だけは続けられる状態を作ることです。
会社で考える順番
何の仕事を止めたくない?
↓
何人いれば続けられる?
↓
どこなら仕事ができる?
↓
何のシステムが必要?
↓
いつ代替拠点へ切り替える?
「オフィスが使えなくなったら休業」ではなく、「どこなら仕事を続けられる?」まで考える。 まずは重要な業務を一つ選び、明日オフィスへ入れなくても続けられるか確認してみてください。
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