大きな地震が来ても、「食器棚そのものが倒れなければ大丈夫」と思っていませんか? 実際には棚が立ったままでも、扉が開いて皿やグラスが飛び出したり、ガラス扉が割れたりすることがあります。
食器棚の地震対策は、本体・扉・ガラス・中の食器の4つに分けて考えるのがポイントです。
食器棚は4段階で対策する
① 食器棚そのものを固定する
② 扉が開かないようにする
③ ガラスの飛散を防ぐ
④ 食器を滑りにくくする
食器棚は「倒れなくても」危ない
総務省消防庁は、地震では食器棚の扉が開いて食器類が散乱することがあると案内しています。割れた皿やガラスが床へ広がれば、けがだけでなく避難の妨げにもなります。
つまり、「食器棚本体を倒さない対策」と「中身を飛び出させない対策」は別です。どちらか片方だけで安心しないようにしましょう。
まずは食器棚そのものを固定する
最初に確認したいのは、本体の転倒防止です。消防庁や内閣府では、家具を壁の桟や柱など強度のある部分へL字金具などで固定する方法を基本として紹介しています。
壁へネジ止めしにくい場合は、家具や住宅の条件に合った転倒防止器具を検討します。賃貸住宅なら、 賃貸でもできる家具の地震対策|壁に穴を開けない転倒防止 も参考にしてください。
おすすめ①|食器棚本体を固定する耐震ゴムベルト
エレコム 耐震ゴムベルト TS-F015
冷蔵庫や食器棚など、大型家具・家電の転倒対策に使える耐震ゴムベルト。強力な粘着シールで家具と壁面に固定し、伸縮するゴムベルトが揺れや衝撃を吸収します。メーカーでは震度7相当の振動試験をクリアしており、4枚のプレート使用時で耐荷重150kgです。
※設置できる家具・壁面には条件があります。粘着シールは貼り付け後72時間動かさないことがメーカーから案内されています。最新の仕様は販売ページをご確認ください。
次は「扉が開く」のを防ぐ
食器棚本体を固定していても、観音開きの扉が開けば食器は飛び出します。内閣府や消防庁も、食器棚などの開き戸には扉開放防止器具を取り付けるよう案内しています。
手で毎回ロックするものだけでなく、揺れを感知して自動的にロックするタイプもあります。
おすすめ②|揺れを感知して扉をロック
ノムラテック スーパーひらかんゾー N-2136
食器棚の開き戸へ取り付ける耐震ロック。メーカーでは震度5前後の揺れを感知して作動する仕組みを採用しており、自動ロックと手動ロックの両方に対応しています。普段の扉はそのまま使いながら、地震時の食器の飛び出しを抑えたい場合に向いています。
※取り付けには木ネジを使用します。食器棚の天板や扉の形状によって取り付けできない場合があります。震度5前後での作動はメーカー社内試験による目安で、作動を保証する数値ではありません。
ガラス扉には飛散防止フィルム
耐震ロックを付けても、食器がガラスへぶつかれば扉のガラスが割れる可能性があります。消防庁は、食器棚のガラス面へ飛散防止フィルムを貼る対策を紹介しています。
ガラスが絶対に割れなくなるわけではありませんが、割れた破片が床へ広く飛び散るのを抑えることが目的です。
おすすめ③|食器棚のガラス飛散防止に
ニトムズ 食器棚用ガラス飛散防止シート M6130
食器棚のガラス向けに作られた透明タイプの飛散防止シート。幅32cm×長さ1.8mで、地震や台風などでガラスが破損した際の飛散を抑えます。UVカット機能があり、施工用のヘラも付属しています。
※メーカーは食器棚の場合、ガラスの外側への施工を案内しています。すりガラスや凹凸のある面など、使用できないガラスがあります。
最後に、食器そのものを滑りにくくする
本体・扉・ガラスまで対策したら、棚の中も見直します。消防庁は、食器棚の棚板へゴム系のシートを敷いて食器を滑りにくくする方法を紹介しています。
特に重い皿や鍋は下段へ。重いものを低い位置に収納すると家具の重心も下がり、高い位置から落下する危険も減らせます。
おすすめ④|普段使いできる滑り止め棚シート
東和産業 ノンスリップ棚シート 30×120cm
食器棚の棚板へ敷き、横揺れによる食器の滑りを抑えるEVA樹脂製のシート。30×120cmで、棚に合わせてハサミでカットできます。透明のメッシュ状なので見た目を大きく変えにくく、普段から食器のズレ防止にも使えます。
※横揺れによる食器の滑りを抑える補助対策です。縦揺れや食器棚そのものの転倒を防止する商品ではありません。
4商品、どれから対策する?
| 危険 | 対策 | 商品例 |
|---|---|---|
| 食器棚が倒れる | 本体を固定 | エレコム TS-F015 |
| 扉が開く | 耐震ロック | スーパーひらかんゾー |
| ガラスが割れる | 飛散防止シート | ニトムズ M6130 |
| 食器が滑る | 滑り止め | 東和産業 棚シート |
優先したいのは、まず食器棚本体の転倒防止です。そのうえで扉、ガラス、棚の中へと対策を重ねると、地震時の危険を減らしやすくなります。
食器の置き方も変えておく
防災グッズを買わなくても、今すぐできることがあります。消防庁は、重い食器を下へ収納し、棚板へ滑り止めを敷くなどの対策を紹介しています。
- □ 大皿や鍋など重いものを下段へ
- □ グラス類を高い場所へ詰め込みすぎない
- □ 扉のすぐ近くへ重い食器を置かない
- □ 棚板へ滑り止めシートを敷く
- □ 食器棚が倒れても避難経路をふさがないか確認する
グッズを取り付けるだけでなく、「揺れたらこの食器はどこへ動く?」と考えながら収納を見直すのがポイントです。
「耐震ラッチだけ」で安心しない
耐震ロックを付ければ、扉から食器が飛び出すリスクを減らせます。ただし、それだけでは食器棚本体の転倒やガラスの破損までは防げません。
1つのグッズに全部を任せない。
本体固定
+ 扉ロック
+ ガラス飛散防止
+ 棚内の滑り止め
全部を一度にそろえる必要はありません。今まったく対策していないなら、まず本体の固定と扉対策から始めてみましょう。
地震のあと、すぐ扉を開けない
大きな揺れがおさまっても、食器棚の中では皿やグラスが扉へ寄りかかっている可能性があります。その状態で正面から扉を開けば、中身が落ちてくるかもしれません。
扉が歪んでいる、中で食器が倒れているような音がする場合は特に注意してください。余震が続いている間は食器棚から距離を取り、安全を確認してから片付けます。
地震直後の行動については、 地震が起きたらまず何をする?最初の行動を順番に解説 も確認してください。
キッチン全体も一緒に確認する
食器棚だけ対策しても、隣の冷蔵庫や電子レンジが無固定ならキッチン全体の安全性は十分とはいえません。大型家電や家具をまとめてチェックしておきましょう。
冷蔵庫については、 地震で冷蔵庫は倒れる?賃貸でもできる転倒防止対策 もあわせて確認してください。
まとめ|食器棚は「倒れる」以外も対策する
食器棚の地震対策では、本体の転倒防止ばかりに目が向きがちです。でも、棚が倒れなくても、扉が開く、食器が飛び出す、ガラスが割れるという危険があります。
食器棚の4つの対策
食器棚本体を固定する
扉の開放を防ぐ
ガラスの飛散を防ぐ
棚の中の食器を滑りにくくする
「食器棚は倒れる?」だけではなく、「倒れなくても何が飛び出す?」。 今日一度、食器棚の扉を開けて、地震が来たら危なそうな場所を確認してみてください。
参考情報
- 総務省消防庁|地震による家具の転倒を防ぐには
- 総務省消防庁|地震防災マニュアル 家具・家電製品
- 内閣府|地震に備える
- エレコム|耐震ゴムベルト TS-F015
- ノムラテック|防犯・防災用品
- ニトムズ|防災ガラス飛散防止シート
- 東和産業|ノンスリップ棚シート
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