真冬の夜に停電。エアコンが止まり、電気ストーブも床暖房も使えない。最初は「少しくらいなら大丈夫」と思っていても、停電が長引けば室温は少しずつ下がっていきます。
そんなとき、最初に考えたいのは「部屋全体をどう暖めるか」ではありません。冷気を入れず、今ある自分の体温をできるだけ逃がさないことです。毛布、防寒着、寝袋、カイロなど、電気を使わない備えがあるだけでも対応できる幅は大きく変わります。
冬の停電でまずやること
① 暖かい部屋へ家族を集める
② 窓・床からの冷気を減らす
③ 重ね着して首・頭・足元を守る
④ 毛布や寝袋で体温を逃がさない
⑤ カイロや湯たんぽを使う
⑥ 寒さが厳しいなら暖房の使える場所へ移動する
冬の停電で怖いのは「暗さ」だけではない
停電すると照明だけでなく、エアコン、電気ストーブ、こたつ、床暖房なども止まります。オール電化の住宅では、普段使っている暖房の多くが一度に使えなくなることもあります。
特に注意したいのが、停電が数時間から長時間続くケースです。外気温が低い地域や断熱性の低い住宅では室温が下がり、高齢者、乳幼児、体調の悪い人などは寒さの影響を受けやすくなります。
停電時に最初に確認することについては、 停電したらまず何をする?最初に確認したいこと も参考にしてください。
最初にするのは「暖める」より「熱を逃がさない」
暖房が止まったら、家全体を暖かく保とうとするより、家族が過ごす場所を一部屋に絞ります。使っていない部屋のドアを閉め、家族が一つの空間へ集まるだけでも、暖かさを保ちやすくなります。
さらに、窓のカーテンや雨戸を閉め、床にはラグ、マット、毛布などを敷きます。フローリングへ直接座ったり寝たりすると体温を奪われやすいため、「上から掛ける」だけでなく「下から冷やさない」ことも大切です。
寒さ対策は「重ね着」が基本
停電すると、室内でもコートやダウンを着る場面が出てきます。厚手の服を1枚着るだけでなく、薄手の服を何枚か重ね、その間に空気の層を作ると体温を保ちやすくなります。
- □ 肌着を着る
- □ フリースやセーターを重ねる
- □ ダウンや防寒着を着る
- □ 厚手の靴下を履く
- □ 帽子やニット帽を使う
- □ マフラーやネックウォーマーで首を守る
雪や雨で服が濡れていると、かえって体温を奪われます。外から帰ってきた場合は、できるだけ早く乾いた服へ着替えましょう。
毛布は「上」だけでなく「下」にも使う
毛布が1枚しかないと上から掛けたくなりますが、床からの冷えが強い場合は、段ボールやマット、毛布などを床へ敷くのも効果的です。
複数枚あるなら床側と体の上側へ分けます。アルミ製の防災シートも、単体で暖かくなるものではなく、体から逃げる熱や風を抑える補助用品と考えて使いましょう。
寝袋があると「夜の寒さ」に備えやすい
冬の停電が長引いたとき、特に困るのが夜です。暖房なしの部屋で何時間も眠る場合、普段の布団や毛布だけでは寒さを感じることがあります。
キャンプ用の寝袋は、体の周囲を覆って暖かい空気を逃がしにくくできるのがメリットです。冬の防災用として選ぶなら、収納サイズだけでなく、どの程度の気温を想定した製品なのかも確認しておきましょう。
おすすめ①|冬の停電で「眠れる備え」を
ISUKA アルファライト 700X
登山やキャンプにも使えるマミー型の寝袋。販売ページでは3シーズン向け・最低使用温度の目安−6℃とされており、冬の停電時に毛布だけでは寒い場合の備えとして使いやすいモデルです。普段はアウトドアで使いながら、防災用品として兼用する方法もあります。
※使用温度の感じ方は服装や体質、床からの冷えなどによって変わります。気温の低い環境ではマットや毛布、防寒着なども組み合わせて使用してください。
カイロは電気がなくても使える
使い捨てカイロは電源を必要としないため、冬の停電と相性のいい防寒用品です。普段から使うものなので、防災専用品よりもローリングストックしやすいのもメリットです。
家族で使うことを考えると、数個ではなく30個程度の箱で備えておくと余裕があります。ただし、同じ場所へ長時間当て続けると低温やけどにつながることがあるため、肌へ直接貼ったり、就寝中に使ったりしないよう注意してください。
おすすめ②|普段使いしながら備蓄できる
アイリスオーヤマ あったカイロEX 貼る レギュラー 30個入
衣類へ貼って使うレギュラーサイズの使い捨てカイロ。停電中でも電源なしで使えるため、冬の防災備蓄に向いています。日常の通勤や外出でも使えるので、シーズン中に古いものから使い、新しい箱を補充する方法なら無理なく備蓄できます。
※低温やけどを防ぐため、肌へ直接貼ったり、就寝時に使用したりしないでください。使用前に製品の注意表示を確認してください。
湯たんぽも「電気なし」で暖を取れる
カセットコンロなどで安全にお湯を作れる状況なら、湯たんぽも停電時の寒さ対策になります。電気式と違い、お湯さえ用意できれば使えるため、毛布や寝袋と組み合わせやすい防寒用品です。
一方で、熱湯を入れたり、長時間同じ場所へ触れさせたりすると、やけどや低温やけどにつながります。専用カバーを使い、製品の表示に従って安全に使用しましょう。
おすすめ③|毛布の中を暖めたいときに
尾上製作所 トタン湯たんぽ 袋付 2.4L MY-7205
約2.4L容量の昔ながらのトタン製湯たんぽ。電気を使わず、お湯を入れて暖を取れるため、冬の停電時にも使える防寒用品です。専用袋付きで、毛布や寝袋の中を暖めたいときにも活用できます。
※熱湯の使用可否や適切な湯温は製品の取扱説明書に従ってください。長時間、体へ直接触れさせると低温やけどの原因になります。
カセットコンロを「暖房代わり」にしない
停電時にカセットコンロが使えると、「火をつけておけば部屋も暖かくなるのでは?」と思うかもしれません。しかし、カセットコンロは調理用です。暖房目的で使うのはやめましょう。
停電時は換気扇も止まっている可能性があります。調理に使用する場合も、窓を開けるなどして換気し、周囲の可燃物にも注意してください。
災害時にカセットコンロを室内で使うときの注意点は、 災害時にカセットコンロを室内で使って大丈夫?安全な使い方 も確認してください。
石油ストーブなどを使うなら換気を忘れない
電源を使わずに動く石油ストーブやガスストーブを備えている家庭もあります。ただし、燃焼する暖房器具は使い方を誤ると、一酸化炭素中毒や火災につながる危険があります。
停電中は換気扇が動かないため、使用できる機器であっても窓を開けて換気します。「電気を使わない暖房だから安全」と考えないことが大切です。
燃焼する暖房器具は必ず取扱説明書を確認。
屋内使用が認められている機器でも、定期的な換気と周囲の火災対策が必要です。
携帯発電機は屋内で絶対に使わない
停電時に発電機で電気ストーブや家電を動かそうと考える人もいるかもしれません。しかし、携帯発電機の排気には一酸化炭素が含まれます。
携帯発電機は屋内、車内、テント内では絶対に使用しないことが重要です。屋外でも、排気が窓やドアから室内へ流れ込まない場所へ設置してください。
温かい食事や飲み物も用意できる
カセットコンロなどを安全に使える状況なら、温かいスープや飲み物を作るのも選択肢です。冬の停電では、冷たい非常食だけでなく、温かく食べられるものがあると過ごしやすくなります。
ただし、暖を取るために火をつけ続けるのではなく、調理が終わったら消火します。カセットコンロで作れる料理については、 災害時に作れるカセットコンロ料理 も参考にしてください。
高齢者や子どもは早めに寒さを確認する
高齢者や乳幼児、体調の悪い人がいる家庭では、本人が「寒い」と言うまで待たず、服装や手足の冷え、顔色、反応などを確認します。
震えが強い、ぼんやりする、うまく話せない、呼びかけへの反応がおかしいといった状態は注意が必要です。寒さが厳しく、自宅で安全な温度を保てない場合は、暖房の使える場所への移動も検討してください。
停電が長引くなら「家にいること」が正解とは限らない
寝袋やカイロがあっても、真冬の寒冷地で長時間暖房なしの生活を続けられるとは限りません。防寒用品は、停電中の時間を安全に乗り切るためのものであり、暖房そのものの代わりではありません。
室温が大きく下がり、防寒用品だけでは厳しい場合は、停電地域外の家族宅や自治体が開設する避難所など、暖房を確保できる場所へ移動することも重要です。移動前には道路状況や自治体の情報を確認しましょう。
冬の停電に備えておきたいもの
- □ 毛布
- □ 寝袋・シュラフ
- □ 防寒着・ダウン
- □ 帽子・ネックウォーマー
- □ 厚手の靴下
- □ 使い捨てカイロ
- □ アルミ製の防災シート
- □ 床へ敷けるマット
- □ 湯たんぽ
- □ カセットコンロ・カセットボンベ
- □ 温かく食べられる非常食
- □ ライト
一般的な防災用品もまとめて見直したい場合は、 防災グッズおすすめ|まず揃えたいもの も参考にしてください。
冬になる前に「暖房なしの夜」を想像してみる
毛布や防寒用品を持っていても、押し入れの奥に入っていては停電時にすぐ使えません。冬が来る前に、寝袋、カイロ、湯たんぽ、防寒着などの場所を家族で確認しておきましょう。
そして「家族全員が同じ部屋で一晩過ごすなら、毛布は足りる?」「寝るときの防寒用品は人数分ある?」まで考えると、足りない備えが見えてきます。
まとめ|「何時間耐える?」より「どう体温を逃がさない?」
冬の停電では、暖房を復旧させることだけを考える必要はありません。窓や床からの冷気を減らし、重ね着をし、毛布や寝袋で体温を守る。さらに、カイロや湯たんぽのような電気を使わない防寒用品を組み合わせます。
冬の停電対策の順番
一部屋に集まる
↓
窓・床からの冷気を減らす
↓
重ね着する
↓
毛布・寝袋で体温を守る
↓
カイロ・湯たんぽを使う
↓
寒さが厳しければ暖かい場所へ移動する
「暖房が止まって何時間耐えられる?」ではなく、「暖房が止まったら、どう体温を逃がさず、どこで暖かさを確保する?」。まずは家族の人数分、夜を過ごせる防寒用品があるか確認してみてください。
参考情報
- 東京都防災ホームページ|大雪への事前の備え
- 日本赤十字社|低体温症・寒さへの備えに関する情報
- 日本ガス石油機器工業会|停電時のガス機器・石油機器の使用に関する注意
- 日本ガス石油機器工業会|カセットこんろ・カセットボンベの安全な使い方
- NITE|災害時・停電時の製品事故防止に関する注意喚起
- ISUKA|アルファライト 700X
- アイリスオーヤマ|あったカイロシリーズ
- 尾上製作所|トタン湯たんぽ
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