大雨の予報。
ニュースでは、 「道路冠水に注意」と言っている。
でも会社では、
「とりあえず様子を見よう」
となっていませんか?
会社の浸水対策で大切なのは、 水が入ってきてから動かないこと。
店舗の商品。
パソコン。
契約書。
電気設備。
わずかな浸水でも、 会社にとっては大きな被害につながる可能性があります。
だから、 オフィスや店舗の水害対策は 雨が強くなる前に始めます。
大雨の前に、会社で確認したい5つ。
① 自社の浸水リスクを調べる
② 水が入ってくる場所を確認する
③ 止水板・土のうなどを準備する
④ 商品・書類・電気機器を高い場所へ移す
⑤ 「いつ作業をやめて避難するか」を決める
まず会社の「浸水リスク」を調べよう
最初に確認したいのは、 自社がどれくらい水害の影響を受ける場所にあるかです。
近くに川がないから大丈夫。
そうとは限りません。
短時間に大量の雨が降ると、 下水道などの排水能力を超えて、 道路や建物が浸水する 内水氾濫が起こることがあります。
まずは、 国や自治体が公開しているハザードマップを確認しましょう。
- □ 洪水の浸水想定区域に入っているか
- □ 内水氾濫のリスクがあるか
- □ 高潮の影響を受ける場所か
- □ 想定される浸水深はどれくらいか
- □ 避難場所・避難経路はどこか
国土地理院の 「ハザードマップポータルサイト」では、 身のまわりの災害リスクを確認できます。
自治体のハザードマップもあわせて確認しておきましょう。
そして、 地図だけで終わらせないこと。
周囲より低い場所。
坂の下。
地下・半地下。
道路より低い入口。
こうした場所がないか、 実際に会社の周りを歩いて確認します。
水はどこから入る?会社の「弱い場所」を探す
浸水対策というと、 正面玄関だけを見てしまいがちです。
でも、 水が入る場所は一つとは限りません。
大雨前に確認したい場所。
正面玄関・自動ドア
従業員通用口
商品・資材の搬入口
シャッター
地下駐車場へのスロープ
地下・半地下の入口
換気口
排水口・側溝・雨水ます
特に店舗では、 搬入口や裏口が道路面とほぼ同じ高さになっている場合があります。
オフィスビルでは、 地下駐車場や地下設備室への入口も要注意です。
東京都下水道局は、 大雨への備えとして 雨水ますをふさがないことも呼びかけています。
店頭看板。
段ボール。
植木鉢。
商品ケース。
大雨前には、 排水を邪魔する物がないか確認しましょう。
止水板・土のう・吸水土のう、どれを使う?
水の侵入口が分かったら、 次は 「どうやって水を入りにくくするか」 を考えます。
| 対策 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 止水板 | 入口に設置して雨水の流入を抑える | 店舗・オフィス入口など繰り返し対策したい場所 |
| 土のう | 積み重ねて水の流入を抑える | 入口・搬入口などの浸水対策 |
| 吸水土のう | 水を吸わせて膨らませて使用する | 保管スペースを抑えたい店舗・オフィス |
| 水のう | 袋に水を入れて簡易的に使用する | 土のうなどがない場合の応急的な対策 |
繰り返し使うなら「止水板」
毎年大雨が心配になる店舗やオフィスなら、 止水板を検討する方法があります。
玄関やシャッター、 搬入口などへ設置し、 建物内への雨水の流入を抑えます。
ただし、 止水板なら何でもいいわけではありません。
入口の幅。
止水板の高さ。
床や壁の形状。
連結方法。
設置に必要な人数。
商品によって条件が違います。
まずは、 設置したい場所の幅を測りましょう。
止水板の必要枚数や選び方については、 止水板とは?使い方・必要枚数・選び方を防災士が解説 でも詳しく紹介しています。
広い入口なら、幅70cmタイプ
店舗の入口。
シャッター。
倉庫の搬入口。
比較的広い場所では、 1枚あたりの幅が広いタイプが候補になります。
樹脂製 止水板 幅70×高さ52cm
1枚あたり幅約70cm・高さ約52cmの樹脂製止水パネル。 玄関だけでなく、シャッターや店舗・倉庫など広めの入口にも合わせやすいタイプです。 会社で導入する場合は、設置場所の幅を事前に測り、 必要枚数や連結時の有効幅を確認して選びましょう。
※価格・在庫状況は各販売ページでご確認ください。
軽くて扱いやすいタイプなら、ABO-32903
会社の水害対策では、
「誰が設置できるか」
も重要です。
担当者が一人しかいない日でも使えるよう、 重さや設置方法も確認しておきましょう。
旭電機化成 止水板3枚組 ABO-32903
1枚約360gの軽量な連結式止水板。 3枚で約123cmをカバーし、洗って繰り返し使えます。 店舗やオフィスで使用する場合は、入口の幅と必要枚数を事前に確認し、 メーカーの案内に従って設置しましょう。
※価格・在庫状況は各販売ページでご確認ください。
保管スペースを抑えたいなら「吸水土のう」
会社や店舗では、 普通の土のうを何袋も保管するのが難しいことがあります。
そんな場合に候補になるのが、 吸水土のうです。
普段は比較的コンパクトに保管しておき、 必要なときに水を吸わせて膨らませます。
店舗入口。
搬入口。
シャッター前。
水が入りやすい場所に合わせて、 必要枚数を準備しておきましょう。
旭電機化成 吸水土のう5枚セット ABO-12905
水を吸わせて膨らませるタイプの吸水土のう。 通常の土のうを常時保管しにくいオフィスや店舗でも備えやすいタイプです。 玄関・店舗入口・搬入口など、浸水が想定される場所に合わせて必要枚数を準備しましょう。 吸水後は重くなるため、浸水する前の安全な段階で設置してください。
※価格・在庫状況は各販売ページでご確認ください。
普通の土のうを使うなら「大雨前」に準備
一般的な土のうも、 建物への雨水の流入を抑える対策の一つです。
ただし、 大雨になってから運び始めるのは危険です。
土のうは重く、 雨や風が強くなれば屋外作業そのものが危険になります。
土のう・止水板は「水が来てから」ではなく「水が来る前」に。
自治体によっては、 土のうの配布や土のうステーションを設置している場合もあります。
会社がある自治体の制度を、 平常時に確認しておきましょう。
手元にないときは「水のう」という方法も
土のうなどが準備できない場合、 ごみ袋へ水を入れた 簡易水のうを使う方法もあります。
東京都下水道局でも、 水のうや止水板などを使った浸水対策を紹介しています。
ただし、 あくまで応急的な対策として考えましょう。
繰り返し浸水が心配なオフィスや店舗なら、 止水板などを含めた 平常時からの対策を検討することが大切です。
商品・パソコン・重要書類は「床から離す」
水を完全に止められるとは限りません。
そこで、
「水を入れない」+「入っても被害を小さくする」
の両方を考えます。
- □ 床置きの商品や在庫を棚へ移す
- □ 段ボールを床へ直接置かない
- □ パソコン・プリンターなどを高い場所へ移す
- □ 契約書・重要書類を上段へ移す
- □ データをクラウドなどにもバックアップする
- □ 電源タップや延長コードを床へ放置しない
特に店舗や倉庫では、 段ボールに入った商品を床へ直接置いていることがあります。
水深が浅くても、 段ボールは水を吸います。
「床に置かない」だけでも、被害を減らす対策になります。
電気設備の浸水は、営業停止につながることも
会社で特に守りたいのが、 電気設備です。
分電盤。
受変電設備。
サーバー。
通信設備。
こうした設備が浸水すると、 水が引いたあとも すぐ営業を再開できない可能性があります。
国土交通省と経済産業省のガイドラインでは、 電気設備を浸水リスクの低い場所へ設置することや、 建物への浸水を防止する対策などが示されています。
浸水した場所の電気設備には近づかない。
濡れた設備には感電などの危険があります。
設備の停止や復旧は、 ビル管理会社や専門業者へ確認してください。
地下・半地下は特に注意。荷物を取りに戻らない
地下店舗。
地下倉庫。
地下駐車場。
半地下のオフィス。
こうした場所では、 水が流れ込み始めると危険性が高まります。
東京都下水道局では、 地下・半地下について、 雨水が流れ込みやすく、 水圧によってドアが開きにくくなる危険 があると注意を呼びかけています。
水が入り始めてから、地下へ商品やパソコンを取りに戻らない。
物より、 人の安全を優先します。
地下に重要な在庫や書類がある会社ほど、
「いつ上階へ移動させるか」
まで平常時に決めておきましょう。
大雨前にやることを「時系列」で決める
大雨対策を 担当者の経験だけに任せると、 判断が遅れやすくなります。
そこで、 会社として 「いつ、何をするか」 を決めておきます。
大雨が予想される前日〜数日前
ハザードマップを確認
気象・河川・自治体の情報を確認
止水板・土のう・吸水土のうを準備
雨水ます・排水口周辺を確認
重要な商品・書類を高い位置へ移動
雨が強くなる前
止水板などを設置
地下・低層階から重要物を移動
社員へ対応を共有
営業時間変更・帰宅・避難を判断
浸水が始まったら
屋外や地下での止水作業を続けない
安全な場所へ移動
自治体などの最新情報を確認
ここで一番重要なのが、
「いつ止水作業をやめるか」
まで決めることです。
水が迫っているのに、
「あと1枚だけ設置しよう」
と作業を続けないようにします。
大雨時の避難判断については、 大雨・台風で避難するタイミング|警戒レベル別の行動を防災士が解説 も参考にしてください。
「入口に少し水が来るだけ」と考えない
最初は、 ほんの数cmの水かもしれません。
でも、 雨が続けば水位は上がります。
水位が上がると、 ドアへ水圧がかかり、 出入りが難しくなる可能性もあります。
さらに床上まで水が入れば、 商品や設備だけでなく、 営業再開後の清掃や衛生管理にも影響します。
浸水深によって何が起こるのかは、 玄関の浸水は何cmから危ない?水深別に起きることと備え方 でも詳しく解説しています。
浸水対策はBCPにも入れておこう
会社の水害対策は、 止水板を買えば終わりではありません。
もし本当に浸水したら、
営業できる?
パソコンは使える?
商品は残る?
社員は出勤できる?
取引先への連絡は?
こうした 「被災したあと、どう事業を続けるか」 まで考えます。
水害BCPで考えたいこと。
重要業務は何か
重要設備はどこにあるか
高い場所へ移動できる物は何か
オフィス・店舗が使えない場合の代替手段
データのバックアップ
社員・取引先への連絡方法
国土交通省も、 工場・事業所などの浸水について、 事業に大きな影響を及ぼすとして 自衛水防の重要性を案内しています。
重要な資機材を上階へ移すなど、 事前にできる対応も紹介されています。
BCPの基本については、 BCPとは?事業継続計画の意味と策定手順を企業防災の視点で解説 も参考にしてください。
まとめ|会社の浸水対策は「雨が降る前」が勝負
大雨が降ってから、
止水板を探す。
土のうを運ぶ。
商品を移動する。
それでは、 間に合わない可能性があります。
会社で今から確認したい5つ。
① ハザードマップで浸水リスクを確認する
② 水が入る場所を確認する
③ 止水板・土のう・吸水土のうなどを準備する
④ 商品・書類・電気機器を高い場所へ移せるようにする
⑤ 作業をやめて避難する基準を決める
水害対策で一番守りたいのは、 商品でも、 パソコンでもありません。
社員やお客様の安全です。
会社を守る準備は、 安全に作業できる 大雨になる前に終わらせる。
まずは今日、 会社のハザードマップと 入口・搬入口の高さを確認するところから始めてみてください。
Bousailyでは、企業・施設・団体などの防災備蓄や、防災用品の選定についてご相談いただけます。
「何を備えればいいか分からない」「必要な数量を整理したい」「備蓄品をまとめて検討したい」といった段階からでもお気軽にご相談ください。
法人向け防災について相談する参考情報
- 国土交通省|自衛水防(企業防災)について(工場・事業所等の浸水対策)
- 国土交通省・国土地理院|ハザードマップポータルサイト
- 東京都下水道局|浸水への備えを万全に!
- 東京都下水道局|地下室・半地下家屋の浸水対策のお願い
- 国土交通省|建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン
- 旭電機化成|止水板3枚組 ABO-32903
- 旭電機化成|吸水土のう5枚セット ABO-12905
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