突然、 オフィスの照明が消えた。
パソコンも落ちた。
Wi-Fiもつながらない。
スマホの充電も、 いつまで持つか分からない。
「会社が停電したら、まず何をすればいい?」
停電対策というと、 ポータブル電源や非常灯を用意することに目が向きがちです。
でも本当に大切なのは、 停電した瞬間にどう動き、限られた電気を何に使うかを決めておくこと。
会社が停電したら、まずこの3つ。
社員の安全を確認する
↓
停電の範囲と状況を確認する
↓
必要な通信・業務へ電力を優先する
会社が停電したら、まず何をする?
照明が消えたら、 まずパソコンを心配したくなります。
でも最初に確認するのは、 社員の安全です。
突然暗くなると、 階段や通路で転倒する危険があります。
地震や台風などと同時に停電した場合は、 家具の転倒やガラスの破損などが起きている可能性もあります。
- □ けが人がいないか確認する
- □ 非常灯・懐中電灯を確保する
- □ エレベーターの使用を控える
- □ 火災・焦げたにおい・異音などがないか確認する
- □ ビル管理会社や管理室から情報を集める
停電すると、 エレベーターや自動ドアなどが使えなくなる場合があります。
まず人の安全。
仕事の復旧を考えるのは、そのあとです。
「会社だけ停電?」まず範囲を確認する
安全を確認したら、 次はどこまで停電しているかを確認します。
自社の一部だけなのか。
ビル全体なのか。
周辺地域も停電しているのか。
これによって、 取るべき対応が変わります。
まず確認したいところ。
分電盤・ブレーカー
ビル管理会社・管理室
電力会社の停電情報
周辺の建物や信号
一部の回路だけ電気が消えている場合は、 使用している機器や回路側に原因があるケースもあります。
ただし、
ブレーカーを戻してもすぐ落ちる。
焦げたにおいがする。
異音がする。
そんな場合は、 無理に何度もブレーカーを操作しないようにします。
停電したら「何に電気を使うか」を決める
停電すると、 できれば全部の機器を動かしたくなります。
でも、 非常用電源には限りがあります。
だから必要なのが、 電気の優先順位です。
まず守りたいのは「連絡」と「情報」。
① スマートフォン
② Wi-Fiルーター・通信機器
③ 重要業務に使うパソコン
④ 最低限の照明
⑤ そのほか事業継続に必要な設備
一方、
コーヒーメーカー。
電子レンジ。
電気ポット。
今すぐ使わなくても業務に影響しない機器。
こうしたものは後回しです。
「何でも動かす」ではなく、「会社を動かすために必要なものだけ動かす」。
停電前に、 その優先順位を決めておきます。
パソコンとデータはどうする?
停電で困るのは、 照明が消えることだけではありません。
入力中だったデータが消える。
デスクトップPCが突然停止する。
サーバーやネットワーク機器が止まる。
業務システムへアクセスできなくなる。
そんな影響も考えられます。
東京電力も、 パソコンなどのOA機器は停電によって入力中のデータが消えたり、 故障したりする場合があると案内しています。
平常時にやっておきたいこと。
重要データをクラウドなどへバックアップする。
停電したときに優先して終了する機器を決める。
サーバーや重要な機器にはUPSの導入を検討する。
UPSとポータブル電源は何が違う?
オフィスの停電対策では、 UPSとポータブル電源の名前がよく出てきます。
でも、 役割は少し違います。
UPS
停電した瞬間に機器が落ちるのを防ぎ、
データを保存したり、
安全にシャットダウンしたりするために使う。
ポータブル電源
停電後もスマホ・パソコン・通信機器などへ、
一定時間電力を供給するために使う。
つまり、
「突然切れないようにする」のがUPS。
「停電後も使い続ける」のがポータブル電源。
このように役割を分けると、 オフィスで必要な設備を考えやすくなります。
長時間の停電にはポータブル電源も選択肢
スマホ。
ノートパソコン。
Wi-Fiルーター。
最低限の照明。
停電しても、 これらが使えれば続けられる仕事はあります。
そこで検討したいのが、 ポータブル電源です。
見るポイントは「容量」と「出力」。
容量(Wh)
→ どれくらい長く使えるか
出力(W)
→ どんな機器を動かせるか
たとえば、 消費電力50Wのノートパソコンを5時間使うなら、 単純計算では250Whです。
10Wの通信機器を10時間使えば、 100Wh。
ただし、 実際には電力変換などによるロスがあるため、 ポータブル電源に表示された容量をそのまま全部使えるわけではありません。
だから、
「何台を、何時間使いたいか」
から必要な容量を考えます。
Anker Solix C1000 Gen 2 Portable Power Station
1024Whの容量と定格1550Wの出力を備えたポータブル電源。 停電時にスマートフォンやノートパソコン、Wi-Fiルーター、照明など、オフィスで優先したい機器への給電に使えます。 非常用電源は「何を何時間使うか」を決めたうえで、必要な容量・出力に合ったものを選ぶことが大切です。
※価格・在庫状況は各販売ページでご確認ください。
ポータブル電源を買う前に「何を動かすか」を決める
大容量なら安心。
……とは限りません。
必要以上に大きくて重い。
価格も高い。
停電時に何へ使うのかも決まっていない。
それでは、 せっかく備えても使いにくくなります。
- □ 停電時に使いたい機器を決める
- □ それぞれの消費電力を確認する
- □ 何時間使いたいか決める
- □ 必要なAC・USB端子数を確認する
- □ 保管場所を決める
- □ 定期的に充電残量を確認する
会社で備えるなら、
「ポータブル電源を買う」から始めない。
まず、
「停電しても残したい業務は何か」
「その業務には何の電気が必要か」
を整理します。
そのあとで容量を選ぶと、 無駄の少ない停電対策になります。
電気が復旧したときも注意
電気が戻った。
よし、 全部の電源をON。
……ではなく、 復旧したときにも注意が必要です。
東京電力では、 停電解消時の事故を防ぐため、 電熱器具や回転する機器などのプラグを抜いておくよう案内しています。
たとえば、
ヒーター。
電気工具。
加熱する機器。
停電したときにスイッチが入ったままだと、 電気が戻った瞬間に動き始める可能性があります。
電気が戻っても、一気に元へ戻さない。
設備に異常がないか確認
↓
必要な機器から順番に復旧
↓
パソコン・通信・業務システムの状態を確認
停電が長引いたら「オフィスで続ける」にこだわらない
30分程度なら、 復旧を待てるかもしれません。
でも、
数時間。
半日。
1日。
停電が長引くほど、 ポータブル電源だけで通常業務を続けるのは難しくなります。
そこで必要なのが、 BCPの考え方です。
停電が長引いたときの選択肢。
在宅勤務へ切り替える。
別拠点で業務を続ける。
重要業務だけに絞る。
顧客・取引先へ状況を知らせる。
停電対策の目的は、 オフィスの電化製品を全部動かすことではありません。
重要な業務を止めない。
または、
止まっても早く再開する。
ここまで考えると、 停電対策はBCPにつながります。
BCPについては、 BCPとは?事業継続計画の意味と策定手順を企業防災の視点で解説 でも詳しく紹介しています。
停電で通信が止まったら?
電気が止まると、 通信にも影響することがあります。
固定電話。
Wi-Fi。
社内ネットワーク。
いつもの連絡手段が使えなくなる可能性も考えます。
だから、 停電対策と安否確認はセットです。
社員への連絡手段や、 法人向け安否確認サービスなどについては、 オフィスの安否確認、どうする?災害時の連絡ルールの作り方 で詳しく紹介しています。
オフィスの停電対策チェックリスト
最後に、 今のオフィスをチェックしてみましょう。
- □ ブレーカー・分電盤の場所を把握している
- □ 非常灯・懐中電灯を用意している
- □ 停電時の連絡方法を決めている
- □ 重要データをバックアップしている
- □ 優先して続ける業務を決めている
- □ 電力を優先する機器を決めている
- □ UPSやポータブル電源を検討している
- □ 非常用電源の残量を定期的に確認している
- □ 長時間停電した場合の勤務方法を決めている
オフィスの防災は、 停電対策だけではありません。
水。
食料。
非常用トイレ。
衛生用品。
社員が会社にとどまるケースも想定して備えます。
全体を見直すなら、 オフィスの防災備蓄チェックリスト|総務担当者がまず確認すべき項目 もあわせて確認してください。
まとめ|停電対策は「ポータブル電源を買う」で終わらない
ポータブル電源を買った。
非常灯もある。
これで安心。
……ではありません。
オフィスが停電したら、この順番。
社員の安全を確認する
↓
停電の範囲を確認する
↓
重要な通信・業務へ電力を集中する
↓
長引くならBCPへ切り替える
平常時に決めたいのは、
「停電しても、何を何時間動かしたい?」
ということ。
それが分かれば、 必要なUPSやポータブル電源の容量も見えてきます。
停電対策は、 電気を用意することではありません。
電気がなくても、会社をどう動かすかを決めておくこと。
まずは、 停電したら止まる業務を洗い出すところから始めてみてください。
Bousailyでは、企業・施設・団体などの防災備蓄や、防災用品の選定についてご相談いただけます。
「何を備えればいいか分からない」「必要な数量を整理したい」「備蓄品をまとめて検討したい」といった段階からでもお気軽にご相談ください。
法人向け防災について相談する参考情報
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