社員50人だから、非常食を450食。 「3日分そろえたから大丈夫」と思っていませんか?
企業の非常食は、食数だけで選ぶと失敗することがあります。水がないと食べられない、同じ味ばかり、アレルギーで食べられない、思ったよりエネルギーが少ない。災害時に初めて気づくのは避けたいところです。
企業の非常食は、この6つで選ぶ。
① 必要な食数
② 水・加熱なしでも食べられるか
③ エネルギー・栄養
④ アレルギーなどへの配慮
⑤ 賞味期限と管理のしやすさ
⑥ 配りやすさ・食べやすさ
企業の非常食は何日分必要?まず「3日・9食」を基準に
首都直下地震の帰宅困難者対策では、事業所の備蓄量は3日分が目安とされています。主食は1人1日3食なので、3日なら1人9食です。
| 待機人数 | 3日分の主食 |
|---|---|
| 10人 | 90食 |
| 20人 | 180食 |
| 50人 | 450食 |
| 100人 | 900食 |
ただし、これはまず確保したい主食の目安です。災害の影響が長引く可能性や、来客・取引先などが社内にいるケースも考えて、余裕を持たせることも検討します。
人数別の備蓄量については、 企業の防災備蓄は何日分必要?従業員数別の計算方法 でも詳しく紹介しています。
選び方① 水や加熱なしで食べられる物も入れる
非常食というと、アルファ米、カップ麺、フリーズドライ食品などが思い浮かびます。ただし、すべてを水やお湯が必要な食品にしないことがポイントです。
断水しているかもしれません。停電で給湯設備が使えないかもしれません。カセットコンロなどの熱源も、いつでも安全に使えるとは限りません。
組み合わせて備える。
水で戻せるアルファ米
開けてそのまま食べられる食品
缶詰・レトルト食品
栄養補助食品
ようかん・ビスケットなどの補食
農林水産省の食品ストックガイドでも、レトルト食品、缶パン、アルファ米、菓子類など、複数の食品を組み合わせる考え方が紹介されています。
主食に使いやすい|尾西食品 アルファ米 五目ごはん
企業備蓄の主食として使いやすいのが、長期保存できるアルファ米です。水でも戻せるため、電気やガスが使えない状況にも対応しやすくなります。
尾西食品 アルファ米 五目ごはん 100g
1食100gで377kcal、5年保存に対応したアルファ米です。 お湯だけでなく水でも戻せ、袋が食器代わりになるためオフィス備蓄にも使いやすい商品です。 ただし1食あたり160mlの水が必要なので、飲料水とは別に調理用の水も考えておきましょう。
※価格・在庫状況は各販売ページでご確認ください。
選び方② 「9食ある」だけでなく中身を見る
朝・昼・夜すべてアルファ米。これでも9食はそろいますが、3日間続けば食事がかなり単調になります。
非常食は、主食+主菜+補食くらいに分けて考えると選びやすくなります。
社員1人分を組むイメージ。
主食:アルファ米、パン、レトルトごはんなど
主菜:魚・肉・豆類の缶詰やレトルト食品
補食:栄養補助食品、ようかん、ビスケットなど
また、「1食」と書かれていてもエネルギー量は商品によって違います。食数だけでなく、パッケージの熱量(kcal)も確認しておくと、極端に少ない備蓄を防ぎやすくなります。
非常食全体の考え方は、 非常食は何日分必要?3日分は何食?家族人数別の備蓄量と選び方 も参考になります。
調理なしの補食|カロリーメイト ロングライフ
主食だけでは不足しやすいエネルギーや栄養を補うため、調理せず食べられる補食も組み合わせておくと使いやすくなります。
カロリーメイト ロングライフ チョコレート味
2本で200kcal、賞味期限3年の備蓄専用タイプです。 調理や食器が不要で、そのまま食べられるため、停電や断水時の補食として使いやすい商品です。 小麦・卵・乳成分・アーモンド・大豆などを含むため、社員向け備蓄ではアレルギー表示も確認しましょう。
※価格・在庫状況は各販売ページでご確認ください。
選び方③ アレルギーや食べられない社員も想定する
企業の非常食で特に注意したいのが、「全員が同じ食品を食べられるとは限らない」ことです。
食物アレルギーのほか、持病、食べる機能、宗教上の理由などによって、一般的な非常食を食べられない人がいる可能性があります。
農林水産省の要配慮者向け食品ストックガイドでも、食物アレルギーがある場合は原材料表示やメーカー情報を確認し、原因となる食品が含まれない食品を備えることが案内されています。
会社で考えたいこと。
アレルギー対応食品を一定数用意する
原材料・アレルゲン表示を確認できるようにする
通常食と分けて保管する
配布時に商品名・原材料が分かる状態にする
東京都が紹介する企業の備蓄事例にも、アレルギー対応食品を用意して多様な社員へ配慮する例があります。
多くの人へ配りやすい補食|井村屋 えいようかん
企業では、多くの社員へ配りやすい商品を一部組み合わせる方法もあります。えいようかんはメーカーがアレルギー物質不使用と案内している保存用食品です。
井村屋 えいようかん 60g×5本
1本171kcal、賞味期間5年6か月の保存用ようかんです。 水や調理なしでそのまま食べられ、メーカーではアレルギー物質不使用と案内されています。 主食の代わりではなく、食事の合間のエネルギー補給や補食として組み合わせるのがおすすめです。
※価格・在庫状況は各販売ページでご確認ください。
選び方④ 水の量までセットで計算する
アルファ米やスープ、カップ麺などを多く備える場合は、食料とは別に調理用の水も必要になります。
事業所の飲料水は1人1日3L、3日で9Lが備蓄量の目安です。しかし、商品によって調理に水を使うなら、その分も考えなければなりません。
非常食を選んだら、次に確認。
1食で水を何ml使う?
お湯がなくても作れる?
容器・箸・スプーンは必要?
食後に洗い物が出る?
たとえばアルファ米100食に1食160ml必要なら、調理だけで16Lの水を使います。商品選定と飲料水の備蓄は別々に考えない方が安全です。
水の基本的な備蓄量については、 防災用の水は何リットル必要?家族人数別の備蓄量と保存方法 も参考にしてください。
選び方⑤ 賞味期限だけでなく「入れ替えやすさ」を見る
企業では、数百食・数千食単位で非常食を管理する場合があります。保存期間が長いことは大きなメリットですが、長期保存=管理しなくていいではありません。
購入時には、賞味期限だけでなく、期限が確認しやすいか、箱単位で管理しやすいか、同じ時期に大量廃棄にならないかも考えます。
- □ 賞味期限を一覧化する
- □ 箱ごとの数量を管理する
- □ 入れ替え予定日を決める
- □ 期限が近い食品は訓練などで活用する
- □ 新しい備蓄を購入してから古い備蓄を減らす
東京都が紹介する企業事例では、備蓄食料の実食会やローリングストックなどの取り組みも紹介されています。
社員が一度食べてみるのは特におすすめです。「量が少ない」「味が苦手」「水がこんなに必要だった」といったことを、災害前に確認できます。
企業の非常食は「1種類を大量購入」より組み合わせる
管理のしやすさだけを考えると、同じ非常食を社員数×9食まとめて買いたくなります。でも実際に3日間食べることを考えると、ある程度種類を分ける方が使いやすくなります。
たとえば3日分なら。
主食:アルファ米・保存パンなど
主菜:魚・肉・豆類の缶詰やレトルト
補食:栄養補助食品・ようかん・ビスケット
配慮食:アレルギー等へ対応できる食品
さらに、社員が実際に食べる場面を考えて、スプーン、紙皿、ゴミ袋などもセットで確認します。
非常食だけでなく、企業の備蓄全体を確認するなら、 オフィスの防災備蓄チェックリスト|総務担当者がまず確認すべき項目 も使ってみてください。
まとめ|「3日分ある」から「3日間食べられる」へ
企業の非常食は、社員数×9食を買えば終わりではありません。災害時の環境を想定して、本当に社員が3日間食べられる内容かまで確認することが大切です。
非常食を選ぶときの6つのチェック。
① 必要人数×3日分を確保する
② 水・加熱なしの食品も入れる
③ 主食だけでなく主菜・補食も組み合わせる
④ アレルギーなどへ配慮する
⑤ 賞味期限・入れ替えやすさを見る
⑥ 配布・調理・ゴミ処理まで考える
非常食選びで迷ったら、まず「社員1人の1日分」を机に並べてみてください。それを3日分、社員数分へ広げていくと、自社に必要な備蓄がかなり見えやすくなります。
Bousailyでは、企業・施設・団体などの防災備蓄や、防災用品の選定についてご相談いただけます。
「何を備えればいいか分からない」「必要な数量を整理したい」「備蓄品をまとめて検討したい」といった段階からでもお気軽にご相談ください。
法人向け防災について相談する参考情報
- 内閣府|事業所における帰宅困難者等対策ガイドライン
- 東京都防災ホームページ|企業の備蓄事例
- 農林水産省|災害時に備えた食品ストックガイド
- 農林水産省|要配慮者と単身者の食品ストックガイド
- 尾西食品|100g尾西の五目ごはん
- 大塚製薬|カロリーメイト ロングライフ
- 井村屋|えいようかん
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