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防災備蓄、1か所にまとめてない?オフィスで分散保管したい理由

オフィスの防災備蓄を複数のフロアや場所に分散して保管するイメージ

水もある。 非常食もある。 非常用トイレも人数分ある。

全部、地下の備蓄倉庫に入れてある。

これなら安心。

……とは限りません。

もし地震で倉庫まで行けなかったら?

もし浸水して、 その場所ごと使えなくなったら?

防災備蓄は、 「あるか」だけでなく「災害時に取り出せるか」まで考えておく必要があります。

備蓄の置き場所は、1か所に集中させすぎない。

メインの備蓄場所に加えて、 フロア・部署などに分けて置いておくと、 ひとつの場所が使えなくなったときのリスクを減らせます。

備蓄を1か所にまとめると、使えないことがある

管理だけを考えると、 備蓄はひとつの倉庫へまとめた方がラクです。

在庫も数えやすい。 期限も確認しやすい。

でも災害時は、 その「1か所に全部ある」が弱点になることがあります。

たとえば、

  • 地震で棚や荷物が倒れて倉庫へ入れない
  • 廊下や階段が使えず別フロアへ移動できない
  • 地下や低い場所が浸水する
  • 停電でエレベーターが使えない
  • 一度に大勢が取りに来て混乱する

というケースです。

東京都の事業所向け防災資料でも、 備蓄を1か所へまとめると、 配布に手間がかかったり、倒壊や水没などで一度に被害を受けたりするおそれがあるとされています。

そこで考えたいのが、 分散保管です。

分散保管=「全部をバラバラにする」ではない

分散保管と聞くと、

「水をあちこちに置くの?」

と思うかもしれません。

そうではありません。

基本は、 メイン備蓄+すぐ使う備蓄に分けるイメージです。

場所 置くものの例
メイン備蓄庫 水・食料・非常用トイレなどのまとまった在庫
各フロア 水・簡易食・非常用トイレ・ライトなど
部署・執務エリア 最低限の衛生用品・救急用品など

つまり、 全部を分散する必要はありません。

ひとつの場所へ行けなくても、 その場にいる人が最低限困らない量を置いておきます。

まず「フロアごと」に分けると考えやすい

複数階のオフィスなら、 一番分かりやすいのがフロアごとの分散です。

たとえば5階建てのオフィスで、 備蓄がすべて1階にあるとします。

地震で階段の安全確認が終わっていない。

当然、 上の階の社員がすぐ取りに行けるとは限りません。

そこで、 各フロアにも最低限の備蓄を置いておきます。

  • □ 飲料水
  • □ すぐ食べられる食品
  • □ 非常用トイレ
  • □ ライト
  • □ 救急用品
  • □ ウェットティッシュなどの衛生用品

必要な量は、 そのフロアで働く人数に合わせて決めます。

会社全体でどれくらい備蓄すればいいかは、 企業の防災備蓄は何日分必要?従業員数別の計算方法 でも紹介しています。

「空いている場所」より「災害時に使える場所」

備蓄を置こうとすると、 ついこうなります。

「ここ空いてるから、全部置いておこう」

でも、 収納しやすさだけで決めない方がいいです。

チェックしたいのは、 その場所が災害時にも使えるかどうか。

  • □ 浸水する可能性が低い場所か
  • □ 家具や棚が倒れて入口をふさがないか
  • □ 避難経路を邪魔していないか
  • □ 停電しても取りに行ける場所か
  • □ 複数の社員が場所を知っているか
  • □ 重い水を安全に取り出せるか

特に地下や低い場所へ備蓄する場合は、 その地域や建物の浸水リスクも確認しておきたいところです。

東京都も、 備蓄や非常用設備が浸水しない位置にあるか確認するよう案内しています。

「分散すれば安全」でもありません。

非常階段や廊下、出入口など、 避難の邪魔になる場所へ置くのは避けます。

建物の状況や災害リスクに合わせて、 安全に保管・取り出しできる場所を選びましょう。

置き場所と一緒に「誰が取り出すか」も決める

備蓄庫はあります。

でも、 鍵を持っている人が休み。

これでは、 せっかくの備蓄もすぐ使えません。

保管場所を決めるときは、

  • どこにあるか
  • 何が入っているか
  • 誰が開けるか
  • 誰が配るか

までセットで決めておきます。

そして、 担当者1人しか知らない状態にしない。

これも大切です。

オフィスの備蓄品そのものを整理する場合は、 オフィスの防災備蓄チェックリスト も参考にしてください。

実際に「取りに行く訓練」をしてみる

備蓄場所を決めたら、 一度だけやってみてください。

「地震が起きました。非常用トイレを持ってきてください」

これだけです。

すると、 意外なことが分かります。

倉庫の鍵がない。

どの箱か分からない。

水が重すぎて運べない。

備蓄場所を知らない社員がいる。

備蓄は、置いてあるだけではまだ半分。

実際に取り出せて、 必要な場所まで運べて、 初めて「使える備蓄」になります。

災害時に従業員を会社へ待機させる考え方については、 災害時の帰宅困難者対策|企業が準備すべきこと でも詳しく紹介しています。

5分でチェック|その備蓄、取り出せる?

  • □ 備蓄を1か所だけに集中させていない
  • □ 各フロアから最低限の備蓄へアクセスできる
  • □ 浸水リスクの高い場所だけに置いていない
  • □ 避難通路をふさいでいない
  • □ 保管場所を複数人が知っている
  • □ 鍵の開け方を複数人が知っている
  • □ 中身と数量を把握できている

全部にチェックが付かなくても大丈夫です。

まずは、 「もしこの備蓄庫が使えなかったら?」 と考えてみてください。

まとめ|備蓄は「ある」より「使える場所にある」

水を何本買うか。

非常食を何食用意するか。

もちろん大切です。

でも、 その次に考えたいのが置き場所です。

オフィス備蓄は、この3つをチェック。

  • 1か所に集中させすぎない
  • フロア・部署などへの分散を考える
  • 災害時に本当に取り出せるか試す

備蓄倉庫が使えなくても、 別の場所に水やトイレがある。

「備蓄がある」から、「備蓄を使える」へ。

保管場所まで考えて、 はじめて災害時に役立つ備えになります。

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