「家族の人数分、防災グッズはそろえたから大丈夫」
そう思っていても、子どもの分の備えまで本当に足りているでしょうか。
水、非常食、ライト、簡易トイレ。 基本的な防災用品は大人も子どもも同じです。 でも子どもの場合は、年齢によって必要なものが大きく変わります。
- 赤ちゃんなら、ミルクやおむつ
- 幼児なら、食べ慣れたごはんやおやつ、安心できるもの
- 小学生なら、自分で持てる防災グッズや家族との連絡方法
災害のあとには物流や店舗の営業が止まり、 普段ならすぐ購入できる子ども用品が手に入りにくくなることも考えられます。
この記事では、防災士の視点から、 子どもがいる家庭で準備しておきたい防災グッズを年齢別に紹介します。
この記事でわかること
- 子どもの防災グッズが大人と違う理由
- 0歳・1〜3歳・4〜6歳・小学生の年齢別の備え
- 子どもがいる家庭で忘れやすい5つの備え
- 市販の防災セットの上手な使い方
子どもの防災グッズ、大人と同じで大丈夫?
結論からいうと、 基本の備えは家族共通でOK。そのうえで、子ども専用のものを足す 必要があります。
子どもは年齢によって、自分でできることや食べられるものが大きく違います。 特に乳幼児は、
- 自分で食事を用意できない
- おむつが必要
- 食べられるものが限られる
- 環境の変化で体調や気持ちが崩れやすい
といった特徴があります。 だからこそ、大人以上に 「いつも使っているもの」を切らさない ことが大切です。
東京都の防災情報でも、 乳幼児向けの備えとしてミルクや離乳食、おむつ、おしりふき、 授乳用品などが挙げられています。
まずは家族みんなで共通の備えを確認
年齢別の用品を見る前に、 家族全員で共通して必要なものをチェックしておきましょう。
| 分類 | 備えたいもの |
|---|---|
| 水・食料 | 飲料水、非常食・普段の食品 |
| トイレ・衛生 | 簡易トイレ、ウェットティッシュ、ティッシュ、ポリ袋 |
| 明かり・電気 | 懐中電灯・ランタン、モバイルバッテリー |
| 体を守る | 救急用品、常備薬、防寒用品 |
| その他 | 現金、家族の連絡先メモ |
ここに、子どもの年齢に合わせたものを足していくイメージです。
家族共通の防災グッズをまだ整理できていない場合は、まず基本の備えから確認しておきましょう。
また、家族人数に応じた非常用トイレの備蓄量はこちらの記事で詳しく解説しています。
0歳|赤ちゃんがいる家庭の防災グッズ
赤ちゃんの備えは、大人用の備蓄とは分けて考えましょう。 特に大切なのは次のものです。
- ミルク(粉ミルク・液体ミルク)
- 哺乳瓶などの授乳用品
- おむつ・おしりふき
- 着替え
- 離乳食
- 衛生用品
ミルクは「いつも飲んでいるもの」+液体ミルク
ミルクを使っている家庭では、 普段飲み慣れているものを多めにストックしておきましょう。
災害時は断水や停電によって、 お湯を沸かす・哺乳瓶を洗って消毒する ことが難しくなる可能性があります。
そこで備えの選択肢になるのが、 調乳せずにそのまま使える液体ミルクです。
東京都も災害時の備えとして液体ミルクの情報を発信しています。 普段の外出などでも使いながら、 無理なくローリングストックしておくとよいでしょう。
0歳の備えに|明治ほほえみ らくらくミルク 240ml
調乳不要で、そのまま授乳に使用できる液体ミルク。 お湯を用意しにくい断水・停電時の備えとして用意しておきたい商品です。 普段の外出時にも使えるため、実際に赤ちゃんが飲めることを確認しながらローリングストックできます。
※価格・在庫状況は変更される場合があります。赤ちゃんの月齢や授乳状況に合った商品か確認して使用してください。
おむつは「いつものサイズ」を多めに
災害時には物流や店舗の状況によって、 普段使っているおむつをすぐ購入できない場合があります。
また、支援物資が届いたとしても、 必要なサイズや普段使っている商品と一致するとは限りません。
おむつは赤ちゃんによってサイズや肌との相性、 使いやすいメーカーがかなり違います。
普段使っているものを1パック多めに置いておき、 使ったら買い足す ローリングストックが現実的です。
成長してサイズが変わるタイミングで、 ストックも入れ替えましょう。
どれくらい備えればいいか迷ったら、 東京都の「東京備蓄ナビ」で家族構成に合わせた備蓄量を確認できます。
1〜3歳|食べ慣れたごはんとおやつを備える
1〜3歳になると食べられるものは増えますが、 大人用の非常食を何でも食べられるわけではありません。
硬いものや味の濃いものなど、 子どもによって食べにくい食品もあります。
普段から食べ慣れている、
- ベビーフード・幼児食
- おやつ
- 飲み物
- スプーン・紙皿などの食器
- ストローマグ
などを少し多めに用意しておきましょう。
災害時に初めて食べる非常食だけを用意するより、 「いつものものを少し多めに」 備える方が取り入れやすくなります。
「食べ慣れたおやつ」も防災の備えになる
子どもにとっておやつは、 単なる嗜好品としてだけではなく、 普段と違う環境の中で食べ慣れたものを口にできるというメリットもあります。
長期保存できるものだけに限定せず、 普段食べる → 減ったら買い足す というローリングストックでも構いません。
そのうえで、長期間保存できるお菓子をひとつ用意しておく方法もあります。
食べ慣れたお菓子の備蓄に|江崎グリコ ビスコ保存缶
子どもにもなじみのあるビスコを長期保存用の缶に入れた保存食。 普段から食べ慣れている家庭なら、災害時でも取り入れやすいお菓子のひとつです。 非常食だけでなく、家族の備蓄用おやつとして準備しておけます。
※賞味期限・価格・在庫状況は販売時期によって異なります。購入前に商品ページをご確認ください。
4〜6歳|「自分で使える」防災グッズを持たせる
年中・年長くらいになると、 少しずつ「自分用の防災グッズ」を 持たせることもできます。
- 小型ライト
- ホイッスル
- マスク・ティッシュ
- 子ども用の飲み物
- 小さなお菓子
- 緊急連絡先カード
ただし、大人用の重い防災リュックを そのまま背負わせる必要はありません。
子どもが無理なく持てる重さ を最優先に考えましょう。
子ども用の「防災カード」を作っておく
災害は、親子が離れているときに起こるかもしれません。 幼稚園や保育園、祖父母の家などで被災することも考えられます。
小さなカードに、次のような情報を書いておきましょう。
- 子どもの名前
- 保護者の名前・電話番号
- 自宅以外の緊急連絡先
- アレルギーや持病など、緊急時に伝えたい情報
ホイッスルや防災カードなどが 最初からまとまった小さな防災ポーチを活用する方法もあります。
携帯用の備えに|キングジム 災害常備ポーチ 7点セット JBP-50
ホイッスル、簡易トイレ、アルミブランケット、マスクなどをまとめた携帯用防災ポーチ。 緊急連絡先や避難場所などを書き込める防災カードも付属しています。 子ども専用品ではないため、年齢や使い方に合わせて保護者が中身を確認・調整したうえで活用しましょう。
※セット内容・価格・在庫状況は変更される場合があります。購入前に販売ページで内容をご確認ください。
小学生|「親が備える」から「一緒に備える」へ
小学生になると、 学校や塾、習い事など、 親と離れて過ごす時間が増えていきます。
防災グッズを用意するだけでなく、 災害が起きたときにどう動くか を子ども自身にも知っておいてもらうことが大切です。
例えば、こんなことを家族で話し合っておきましょう。
- 家族が別々の場所にいるときに地震が起きたらどうするか
- 学校にいるときは学校のルールや先生の指示に従う
- 家族との待ち合わせ場所
- 近所の避難場所
- 災害用伝言ダイヤル(171)の使い方
- 緊急連絡先
東京都の「東京防災」などでも、 家族の安否確認方法や避難について紹介されています。 親子で一緒に確認してみるのもよいでしょう。
子ども専用の小さな防災ポーチを作る
小学生なら、次のようなものを小さなポーチにまとめて、 ランドセルや習い事バッグに入れておく方法もあります。
- ホイッスル
- 小型ライト
- 簡易トイレ
- マスク・ティッシュ
- アルミブランケット
- 小さなお菓子
- 緊急連絡先カード
学校によっては、 食品や防災用品の持ち込みにルールがある場合があります。 事前に確認しておきましょう。
先ほど紹介した災害常備ポーチをベースに、 年齢や生活環境に合わせて中身を調整する方法もあります。
防災ポーチに何を入れるか迷ったら、普段のバッグに入れておきたい最低限の備えをまとめたこちらの記事も参考にしてください。
子どもがいる家庭で忘れやすい5つの備え
1. 子どもの常備薬
普段飲んでいる薬がある場合は、 災害時の対応についてあらかじめ主治医や薬剤師に相談しておくと安心です。
お薬手帳の情報をスマートフォンでも確認できるようにしておくなど、 薬の名称や服用方法がわかるようにしておきましょう。
2. アレルギー情報
食物アレルギーがある子どもは、 避難先の食事や支援物資を受け取る際にも注意が必要です。
普段食べられる食品を家庭で余分に備えておき、 子ども自身で説明できない年齢なら、 アレルギーの内容をカードなどに記載しておくと役立ちます。
3. 着替え
子どもは汗をかいたり、食べこぼしたりして、 着替えが必要になることがあります。
乳幼児なら特に、
- 下着
- 靴下
- 上下の服
を1回分ずつ袋にまとめておくと、 持ち出しやすくなります。
サイズアウトしていないか、 季節の変わり目などに確認しましょう。
4. 安心できるもの
小さなぬいぐるみ、絵本、 トランプやカードゲームなど、 子どもが普段から親しんでいるものも、 避難生活では役立つことがあります。
「命を守るもの」だけでなく、 子どもの不安を少しでも軽くする工夫 も考えておきましょう。
5. 子どもの靴
地震のあとには、 割れた食器や窓ガラスなどが床に散乱している可能性があります。
夜間の地震も想定し、 寝室ですぐ履ける位置に子どもの靴などを準備しておく 方法もあります。
家族分をまとめて備えるなら、防災リュック+子ども用品
家族共通の防災用品を一から選ぶのが大変なら、 市販の防災リュックをベースにして、 子ども用品を追加していく方法もあります。
このとき、防災リュックは 親が持つ「家族の備えのベース」 として考え、 子どもの年齢や体力に合わせて持ち物を分担しましょう。
家族の備えのベースに|アイリスオーヤマ 基本の防災リュック BRB-4
基本的な防災用品がまとめられた防災リュック。 家族共通で必要なものを揃えるためのベースとして使い、 ミルク、おむつ、着替え、子どもが食べられる食品などを追加して、 家庭に合った内容に調整する使い方がおすすめです。
※セット内容・価格・在庫状況は変更される場合があります。購入前に販売ページで内容をご確認ください。
「防災セットを買ったから安心」にしない
市販の防災セットは便利ですが、 それだけで家庭の備えが完成するわけではありません。
特に、
- ミルク
- おむつ
- アレルギー対応食
- 常備薬
- 子どもが普段食べている食品
などは、 子ども一人ひとりに合わせて用意する必要があります。
防災セットは 「基本セット+その子専用のもの」 で完成すると考えましょう。
年齢別|子どもの防災グッズ早見表
| 年齢 | 特に必要なもの |
|---|---|
| 0歳 | 液体ミルク・粉ミルク、授乳用品、おむつ、おしりふき、着替え、離乳食 |
| 1〜3歳 | 幼児食、おやつ、おむつ・トイレ用品、飲み物、食器・スプーン、着替え |
| 4〜6歳 | 小型ライト、ホイッスル、簡易トイレ、マスク、お菓子、防災カード |
| 小学生 | 子ども用防災ポーチ、ライト、ホイッスル、簡易トイレ、お菓子、防災カード |
年齢はあくまで目安です。 その子が普段何を使っているか を基準に調整してください。
防災グッズは子どもと一緒に確認しよう
小学生くらいになったら、 親だけで準備するのではなく、 ぜひ子どもと一緒に中身を広げてみてください。
「これ、何に使うと思う?」
「地震が起きたら、どこに行く?」
「家族と会えなかったら、どうする?」
そんな会話をすることで、 防災グッズを実際に使う場面を 子ども自身がイメージしやすくなります。
防災の日や長期休みなど、 年に数回「おうち防災の日」を決めて、 賞味期限や衣類のサイズ、防災用品の状態などを 一緒に確認するのもおすすめです。
よくある質問
Q. 子どもの防災グッズは何日分必要?
家庭の備蓄は、食料や飲料水、携帯トイレなどを最低3日分、できれば1週間分を目安に準備することが内閣府から案内されています。
子ども用品も同じ備蓄期間を意識しながら、ミルク、おむつ、離乳食、常備薬など、その子が毎日使うものを必要量に合わせて用意しましょう。
すべてを一度に買いそろえるのではなく、普段使うものを少し多めに持ち、使った分だけ補充するローリングストックにすると管理しやすくなります。
Q. 子ども用の防災リュックは何kgまで?
子ども用の防災リュックに「何kgまで」という一律の基準を設けるより、その子が無理なく背負って歩ける量を優先しましょう。
水や家族共通の備蓄まで子どもに持たせる必要はありません。 子どもにはホイッスル、ライト、防災カード、マスクなど軽くて自分で使いやすいものを中心にし、重いものは大人が分担します。
Q. 赤ちゃん用のミルクやおむつはどれくらい備える?
赤ちゃん用品は、普段1日に使っている量 × 備えたい日数で考えると準備しやすくなります。
例えば、普段使っているミルクやおむつの1日分を確認し、まずは数日分から始めて、できれば1週間程度まで少しずつ増やしていきます。
おむつは成長によってサイズが変わるため、大量に買い置きするよりも、普段使いながら補充していく方法がおすすめです。
まとめ|子どもの備えは「いつもの生活」を基準に
子どもの防災グッズは、 大人用をそのまま使えばいいわけではありません。
赤ちゃんや小さな子なら、 ミルク、離乳食、おむつ、おしりふき、着替え など、 毎日の生活に欠かせないものを切らさないことが重要です。
そして成長にあわせて、 ライト、ホイッスル、防災カード、自分用の防災ポーチ など、 子ども自身が使える備えを少しずつ増やしていきましょう。
すべてを特別な防災用品で揃える必要はありません。
まずは 「いつも使っているものを、ひとつ多めに」 から始めてみてください。
参考情報
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